【知事から学生の皆さんへ】
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う県民の皆様へのお願い

2023-01-25

■感染状況
本県の新型コロナウイルス感染症の新規感染者数につきましては,年明け以降,増加しております。1月5日には,5,209人と過去最多を更新しております。その後も , 3,000人~4,000人台の新規感染者が確認され,ここ1週間では,前の週に比べると減少傾向となっておりますが , 依然として,1,000人を超える感染者が確認されており,人口10万人当たりの感染者数で全国でも高い水準にあります。
感染の状況については,県内全域で拡大し,全ての年代で多く確認されております。家庭内のほか,高齢者施設や医療機関の入所・入院者の感染も多く確認されております。

■感染の要因
感染の要因としては,これまでも申し上げてきておりますが,寒い時期ですので,家庭などで換気が不十分となる場合があることや,成人の集いや同窓会などに起因した人との接触機会の増加,ワクチン接種やこれまでの自然感染により獲得した免疫が,次第に低下してきていることなどの影響があるのではないかという指摘もあります。

■医療提供体制の状況
病床使用率については,病床フェーズを最も高い「緊急フェーズⅡ」に移行しており,1月24日時点で,最近少しずつ低下傾向にはありますが,依然として63.3%と高い水準にあります。重症患者は7人で,酸素投与が必要な中等症Ⅱの患者は90人となっております。
受入の医療機関においても,新型コロナウイルス感染等により出勤できない医療従事者や,院内感染が発生している医療機関もあります。また,入院患者も多いことから,一部の地域において,コロナ患者以外の救急搬送困難事案が発生するなど,一般診療にも影響が出てきており,受入医療機関への負荷は非常に高いものとなっております。
入院患者につきましては,感染者数が減少した後も,しばらく減少まで時間がかかるという傾向がありますので,今後もしばらく病床使用率が高止まりすることが想定されます。

■病床確保の取組
県においては,この間,県医師会などと連携し,更なる病床の確保にも努めているところです。
しかしながら,冬場は,心疾患等の症状で入院を要する患者が増加する傾向にあり,昨年夏ほどの新型コロナウイルス感染症のための病床確保が困難ではないかと考えております。
また,比較的,症状の落ち着いている方については,国の示した早期退院を運用し,退院後の療養先として宿泊療養施設等を活用しているところですが,高齢あるいは基礎疾患を有する患者も多いことなどから,こうした活用も難しい状況となっております。

■インフルエンザの流行
さらに,季節性インフルエンザにつきましても,患者数が増加しており,先日県内全域に「インフルエンザ流行発生注意報」を発出したところであります。新型コロナとの同時流行により,今後,患者が急増すれば,発熱外来も含めた更なる医療提供体制の逼迫が懸念されます。

■県民への協力要請

こうした状況を踏まえまして,県民の皆様にいくつかお願いをしたいと思っております。
今まさに,本県の医療を守る大切な時期を迎えていると考えております。県民の皆様お一人お一人の御協力が重要であると考えております。
本県の先ほど申し上げたような感染の状況や医療現場の状況,感染防止対策について御理解いただき,こまめな手洗いや手指消毒,換気の徹底,場面に応じた正しいマスクの着用など,改めて基本的な感染防止対策の徹底への御協力をよろしくお願い申し上げます。

■適正受診・事前の備え

医療への負荷が高まることにより,重症化リスクの高い方が受診できなくなったり,入院が必要な方が適切に入院できなくなることを避ける必要があります。本県の医療を守るために,軽い発熱や喉の痛みといった軽症の方は,外来診療の混雑を避けるために,なるべく平日・日中の受診をお願いいたします。
また,発熱等の体調不良時に備えて,新型コロナの検査キットや解熱鎮痛剤等をあらかじめ準備していただくことをおすすめします。
一方で,息苦しさや意識がはっきりしないなどの重い症状が見られる場合は,速やかにかかりつけ医等の地域の医療機関に相談,受診を行うようお願いいたします。

■換気の徹底

換気は,非常に重要な感染防止対策であります。本格的な冬を迎え,窓を閉め切りがちになりますが,家庭や職場内においては,暖房の際も定期的に,できれば30分に1回以上,数分間程度,窓を開けるなど,十分な換気を行うようお願いいたします。

■ワクチン接種

ワクチン接種につきましては,専門家によりますと,小児を含めてワクチン接種が重症化予防を図るというメリットの方が接種後の副反応の懸念よりも大きいとされております。
御自身の健康を守るため,また高齢の方や小さいお子さん,受験生など,大切な方への感染予防として,新型コロナのワクチンと,インフルエンザワクチンの早めの接種を御検討いただきたいと思います。

■行動制限について
行動制限については,現時点で新たに何か行うということは考えておりませんが,引き続き,三密を避け,感染リスクの高い場所への外出などは控えていただきたいと思います。
特に,重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方,妊娠中の方などへの感染防止を図ることが重要であります。
御高齢の親族等と会われる際は,事前の感染リスクの高い行動を控えるとともに,無料のPCR検査等を御活用ください。また,御高齢の親族等と会食をされる際は,是非マスク会食を実践してくださいますようお願いいたします。

■体調不良時の行動について
喉の痛みや倦怠感など少しでも体調の異変を感じた場合には,旅行やイベント,会食への参加はもちろん,出勤や登校など移動・外出を控えていただくようお願いいたします。

■無料PCR等検査の活用
無料PCR検査ですが,県では,1月までとしていた無料のPCR等検査を2月末まで延長いたします。県下287か所において実施しておりますので,イベントに参加される際,あるいは本県の離島を訪問される際など,また県外へ旅行される際等に,積極的な活用をお願いいたします。
また,無症状であっても感染の不安のある方は,移動を控え,無料検査等を御活用いただければと思います。

■会食について
会食の際は,第三者認証店など,感染防止対策を徹底しているお店を御利用いただき,引き続き,マスク会食などの感染リスクを下げる取組や,お店の感染防止の取組への御協力をよろしくお願いいたします。

■終わりに
国内で新型コロナウイルスが確認されてから4年目に入っております。この間,県民の皆様の命を守るために,日夜献身的に貢献していただいております医療従事者の皆様,そして,感染防止に御協力いただいている県民の皆様方に改めて感謝を申し上げます。
前述のとおり,本県においては,新規感染者数は減少する兆しも見えておりますが,インフルエンザとの同時流行により,更に医療が逼迫することも懸念されております。
県民の皆様方の責任ある行動が,御自身だけでなく,大切な御家族,友人,周りの方々の健康と命を守るとともに,地域の医療を支えていくことに繋がります。
県民の皆様お一人お一人が,「感染しない」,「感染させない」ということを意識して,今一度,基本的な感染防止対策に徹底して取り組んでいただきますよう,御協力をよろしくお願いいたします。