鹿児島県から景観アドバイザーを委嘱されている本学教員が
「入来麓の景観まちづくりと観光振興」という題で講話を行いました

2025-11-05

11月3日文化の日、入来麓で景観まちづくりを進めている入来花水木会さんの依頼で、本学共通教育センターの西嶋啓一郎教授による「入来麓の景観まちづくりと観光振興」という題での講話が行われました。
この事業は鹿児島県の景観アドバイザーの西嶋教授と建築デザイン学科3年生による景観まちづくり事業の一環で、鎌倉時代からの武家町により伝統建造物群保存地区の指定を受けている入来麓での茅葺き屋根葺き替えによる持続可能なまちづくりを主題としたものでした。
講話には、本学建築デザイン学科新堀心瑚さん、情報・AI・データサイエンス学科白木川拓巳さんも参加しました。
入来花水木会は、800年近くの古い歴史を誇る武家屋敷群入来麓地区の美観や景観の維持存続を目指し、先人たちが残した日本遺産の入来麓を守り文化を伝承する活動を続けていますが、今回の茅葺屋根の葺き替えは同会の入来院久子会長自宅の茅葺門の屋根の葺き替えが行われることで実施されました。
我が国の戦前の農村部では茅葺き屋根の民家が多く存在し、その葺き替えには「結」という地域生活協働組織が担っていました。しかし現代になり、そうした協働体の結びつきが希薄化し、また1950年に現行の建築基準法の制定されたことで、火災に弱い茅葺き屋根が姿を消すことになりました。
そのため茅葺屋根の葺き替え技術継承が途絶えたことで、伝統建造物群保存地区などに残されている文化財としての茅葺き屋根の景観をいかにして守っていくのかが課題となっています。

(共通教育センター)