【鹿児島ロケット2号機 ユピテル号 打上げ実験の成功】

2021-01-08

去る12月25日のクリスマス、鹿児島県肝付町辺塚海岸において『鹿児島ロケット2号機 ユピテル号』の打上げ実験を行い、成功裏のうちに実験を終えることができました。昨年打上げた初号機は、残念ながら目標の高度に到達することなく、海に落下しました。原因究明を行った結果、地上燃焼試験では確認できなかった要因により、エンジンの初期着火が充分でなかったことが判明したため、着火性改善検討、対策設計、対策検証実験を行い、今回の打上げ実験に臨みました。
打上げ実験当日は晴天に恵まれ、風も穏やかで天候も味方してくれました。20秒前からのカウントダウンで所定の点火シーケンス行程の後に、カウント0で鹿児島ロケット2号機は初号機と明らかに異なる速い速度で発射機を離脱後、一時機体の行方を見失うほどの速度で上昇を続け、次に機体を認識できた時はパラシュートで降下してきた時でした。後日の光学計測により、着水までの予定したシーケンスは無事に完遂したことが確認されました。今後は搭載したセンサーの記録を分析し、3号機の開発に繋げていきます。
第一工業大学も共同研究開発の一員として、教員1名、学生4名(航空工学科 阿蘇谷君、中田君、仮屋君の3名、機械システム工学科 松本君1名)でこの計画に参画しています。今回の打上げ実験における第一工業大学チームの役割は、実験環境の構築及びその支援作業、供試体準備作業支援、実験条件(風向・風速・温度 等)の記録、実験状況の写真記録、実験後の機体回収でした。全員怪我もなく、無事にその役割を果たすことができました。

-発射機セット前の準備-

-打上げ前の発射機周りの準備-

-打上げ実験準備完了-

-発射!!-

-機体の回収作業-

-機体回収後の記念撮影-

今回の実験は、鹿児島大学、肝付町役場、第一工業大学はもとより、鹿児島県工業技術センターを初めとして鹿児島県内の多くの企業の皆様のご協力・ご支援、国土交通省航空局鹿児島空港事務所、自衛隊鹿屋航空基地、内之浦漁業協同組合の皆様からのご指導、そして何よりも肝付町辺塚地区の住民皆様のご理解・応援により無事に円滑に実施できた、と思います。

今回の実験を最後に社会に飛び立つ学生がいれば、来年度以降再び参加できる学生もいます。それぞれの学生が、いろいろな方面で関係される方々が居られ、皆様のご協力によって初めてこの様な実験が円滑に実施できることを学び、今後に活かしてくれれば、と思います。また、他の大学の学生の皆さんと一つの目的に向かって進めて行く貴重な経験も今後の何かの役に立つことと思います。
最後に、上記諸機関の皆様方、とりわけ鹿児島大学の研究会代表 片野田教授および学生諸先輩方の皆様に感謝申し上げます。

(航空工学部 航空工学科 髙口)