【知事から学生の皆さんへ】
新型コロナウイルス感染症の「BA.5対策強化宣言の発令に伴う
県民の皆様へのお願い

2022-08-09

■はじめに

新型コロナウイルス感染症の爆発的な感染拡大が継続し,医療提供体制が逼迫してきていることなどを受け,8月3日に「BA.5対策強化宣言」を発令しましたので,その概要についてご説明します。

■感染状況

新規感染者数につきましては,7月に入り急激に増加し,7月12日に初めて1,000人を超え,20日からは,2,000人台,26日からは,3,000人台と極めて高い水準で推移しております。
感染の状況については,離島を含め,県内各地で拡大しております。また,全ての年代で増加しており,特に最近は,高齢者層の感染がその数,割合ともに増加傾向にあります。

■感染急増の要因

感染が急増している要因としては,より感染が広がりやすいとされるオミクロン株の派生型のBA.5系統への置き換わりが一層進んできたことや,ワクチン3回目接種から一定の期間が経過した方の感染予防効果が減少してきていることなどの影響があるのではないかと考えております。

■医療提供体制の状況

病床使用率につきましては, 上昇傾向にあり, 1日時点で61.5パーセントとなっております。また,重症患者は1人,酸素投与が必要な中等症Ⅱの患者は93人となっており,高齢者の入院患者が増加してきております。
また,感染者の急増により発熱外来を中心に,診察や検査数が急増するとともに,受入医療機関においては,新型コロナ感染や濃厚接触等により出勤できない医療従事者が急増しており,医療機関への負荷が急速に高まってきております。
さらに,夏休み期間に入り,帰省や旅行等で人の移動が活発化し,人の接触機会が増えることから,今後,同様の感染拡大が継続すると,高齢者の感染者が更に増加し,重症者の増加や更なる医療提供体制の逼迫が懸念されます。

■「BA.5対策強化宣言」の発令

このような状況や専門家のご意見を踏まえ,8月3日に,国の新たな枠組みである「BA.5対策強化宣言」を発令しました。
また,この宣言の期間につきましては,夏休みの帰省・旅行等人の接触機会が多いことなどを考慮して,8月31日までということとし,様々な取組をこの期間に集中的に実施したいと考えております。

■県民への協力要請

宣言の発令に当たりまして,県民の皆様にお願いしたい点を申し上げます。
今まさに感染の急拡大を防止すべき大事な時期を迎えております。県民の皆様方お一人お一人のご協力が重要であると考えております。
夏休み,お盆の期間をゆっくりご自宅でご家族と過ごすなど,できるだけ人との接触を避けていただくようお願いいたします。
また,本県の感染状況や感染防止対策についてご理解いただき,「BA.5対策強化宣言」発令の下,最大級の警戒感をもって,こまめな手洗いや手指消毒,換気の徹底,場面に応じた正しいマスクの着用など,改めて基本的な感染防止対策の徹底をお願いいたします。

■高齢者等を守るために

重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方,妊娠中の方などへの感染防止を図ることが重要です。
これらの方々と日常的に接する同居家族の方は,混雑した場所や感染リスクが高い場所への外出を避けるなど,感染リスクの高い行動を控えていただきたいと思います。
帰省などでご高齢の親族等と会われる場合は,体調管理をしっかりとして,面会前の感染リスクの高い行動を控えていただきますとともに,無料のPCR検査等をご活用ください。
また,ご高齢の親族等と会食する際は,是非,マスク会食を徹底してください。
また,高齢者施設の面会制限などへの御協力をお願いいたします。

■移動・外出(イベント等における感染防止対策)

夏休みの期間中,移動や外出の機会も多くなると思います。また,お祭りやコンサートなど,イベント等で人が集まる機会も多くなると思います。
イベント等に参加される場合など,移動や外出の際は,体調管理をしっかりと行っていただき,喉の痛みや倦怠感など少しでも体調の異変を感じた場合には,イベントへの参加はもちろん,移動・外出を控えていただくようお願いいたします。
また,イベントを主催される方は,その規模や内容に応じて,「感染防止安全計画」や「感染防止策チェックリスト」を作成いただき,換気の徹底や来場者の密集を回避するなどの感染防止対策の徹底をお願いいたします。

■無料PCR検査の活用

県では,8月31日まで県下258か所において,無料のPCR検査を実施しております。イベントに参加される際,あるいは本県離島を訪問される際,帰省などで高齢の親族等と会う際には積極的なご活用をお願いいたします。
また,無症状であっても感染の不安のある方は,移動を控え,無料検査等をご活用いただきたいと思います。

■ワクチンの早期接種

ワクチンにつきましては,本県におけるワクチンの3回目接種率は64%となっております。年代別に見ますと,20歳未満が37%,20歳代が51%と,依然として若年層での割合が低い状況となっております。
また,60歳以上の方や18歳以上で基礎疾患を有する方,医療従事者や高齢者施設等の従事者を対象とした4回目の接種も始まっております。
専門家によりますと,小児も含めて,ワクチン接種については,重症化予防を図るメリットの方が,ワクチン接種後の副反応の懸念よりも大きいとされております。
ご自身の健康を守るため,また高齢者の方や小さいお子さんへの感染予防として,ワクチンの接種について積極的にご検討いただき,希望される方は,早めの接種をお願いいたします。

■マスク会食の徹底,第三者認証店の利用

会食については,これからお盆を迎えます。親戚やご家族,ご友人との会食の機会も増えると思います。
会食については,第三者認証店など,感染防止対策を徹底しているお店をご利用いただき,大声での会話を控えることやマスク会食などの感染リスクを下げる取組,お店の感染防止の取組へのご協力をよろしくお願いいたします。

■効果的な換気の徹底

夏場は,エアコンの使用により換気が不十分になりがちですが,換気は,非常に重要なオミクロン株に対する感染防止対策です。
エアコン使用時は,定期的に窓を開けるなど,室内や店舗内の換気の徹底をお願いいたします。また,パーテーションを利用する際は,換気を阻害しないよう配置に留意し,扇風機やサーキュレーターを用いた換気の改善にも取り組んでいただきたいと思います。

■学校における感染防止対策

夏休み期間中の部活動等の実施に当たっては,活動中のほか,練習場所や部室,更衣室等の共有エリアの利用時,部活動前後での集団での飲食や移動時など,それぞれの場面に応じた正しいマスクの着用や,こまめな手洗い,換気の徹底などを改めてお願いいたします。
夏休み期間中の部活動等の実施に当たっては,活動中のほか,練習場所や部室,更衣室等の共有エリアの利用時,部活動前後での集団での飲食や移動時など,それぞれの場面に応じた正しいマスクの着用や,こまめな手洗い,換気の徹底などを改めてお願いいたします。

■医療を守るために(医療機関の適正受診)

現在,感染者の急増により医療機関への負荷が急速に高まっております。
医療従事者が感染したり,濃厚接触者となり出勤できなくなるケースが急増し,コロナ医療はもとより,一般医療への影響も出始めております。
また,熱中症やコロナ疑い患者の夜間・休日の受診者が増加し,検査・診察に長時間の待機を要し,子どもや高齢者,基礎疾患のある方の診療が困難になる恐れもあります。
本県の救急医療の安定確保のため,軽い発熱や喉の痛みといった軽症の方は,なるべく平日,日中の受診をお願いいたします。
特に療養解除時や濃厚接触者となった場合の陰性証明のための検査など,検査のみを目的とした受診はお控えいただきたいと思います。
一方で,息苦しさや意識がはっきりしないなど,重い症状が見られる場合は,速やかにかかりつけ医等の地域の医療機関への相談や受診をお願いいたします。
また,新型コロナの陽性が疑われる方で救急車を呼ぶか迷う場合は,119番通報をする前に,24時間対応の受診・相談センターに電話をしてください。
県では,夜間における小児の急な病気などについては,看護師等が応急処置や医療機関の受診の必要性などの助言を行う「鹿児島県小児救急電話相談#8000」を設置していますので,ご活用ください。

■家庭での薬や食料の備蓄

感染が爆発的に拡大し,いつ,どこで感染するかわからない状況です。感染した場合には,感染者本人だけではなく,同居しているご家族も濃厚接触者として,不要不急の外出を控えていただくことになります。
そのため,療養・待機期間中に必要となる薬や食料品,日用品が不足し困ることがないよう,あらかじめ確認し,事前に準備しておくと安心です。
また,家族に感染を広げないためにも,日頃からご自宅の換気状況の確認や部屋を分けるなどの生活環境の準備や,感染者と共用できないリネン,食器,歯ブラシなどの衛生品の準備など療養環境の整備もお願いいたします。

■ 医療提供体制の検討

医療提供体制については,現在,新型コロナに感染された方で入院が必要な方については入院できていますが,県としては,引き続き,関係機関と連携して,更なる病床の確保などに努めてまいります。

■ フォローアップセンターの整備状況

また,県では,陽性者が安心して自宅で過ごすために必要な健康観察や専用の相談対応を全県的に一括して行う自宅待機者フォローアップセンターを構築することとしております。
現在,8月中の開所に向けて準備を進めておりますので,開所日等については,改めてお知らせをいたします。

■終わりに

最後に,現在の感染状況が継続しますと,医療崩壊が現実のものとなるのではないかとの大変強い危機感を持っております。
県民の皆様お一人お一人の感染防止対策が,ご自身はもとより,ご家族や友人,また,地域を守り,今後の感染急拡大を防ぐことに繋がります。
改めて,本県の感染状況や感染防止対策についてご理解いただき,こまめな手洗いや手指消毒,換気の徹底,場面に応じた正しいマスクの着用など,基本的な感染防止対策を徹底し,強い警戒感をもって,「うつらない」,「うつさない」行動を心がけていただきたいと思います。