川口 尚毅
川口 尚毅 Naoki Kawaguchi
- 助教
- 関西外国語大学大学院博士後期課程修了 博士 (英語学)
経歴
2022年6月―2023年1月 大阪体育大学 アカデミック日本語指導 (大学院担当)
2023年4月―2023年12月 摂南大学薬学部 非常勤講師
2023年10月―2024年2月 奈良工業高等専門学校 非常勤講師
受験生へのメッセージ
父の父、つまり、私の祖父は鹿児島 (加世田)出身でしたが、戦前にやむなく家族数人とともに鹿児島を離れました。そして、ご縁で、何十年かを経て再び鹿児島に戻ることができました。そこで、’郷里’の方々に様々な知識を還元したい、と思っています。ただ私自身は、DNAは鹿児島でも、生まれ/育ちは大阪なので、このことを活かした楽しい授業を展開させていただいています。勉強/研究/学問は、仰々しい存在でもなければ、皆さんから遠く離れた存在でもありません。「なんで事実が、こんな風になってんねやろ?」と思ったあなたは、研究の入り口に立っています。英語探求を通して、「なんか勉強/研究/学問って面白いやん」というように感じていただければ、幸いです。
教育研究活動 (現在)
専門分野
記述/伝統文法 (語法文法研究)、統語論 (動的文法理論, 文法化)、意味論 (概念意味論)、認知言語学、英語史
現在の研究テーマ
分詞構文と語彙意味論、形態論
なお、博士論文と近刊の論文では、次のような仮説を提唱しています:
「現代英語を習得しようとしている子供は、その習得過程において、英語の歴史上で起きた言語変化を部分的にであれ、再現するのではないか」
本仮説をさらに精緻化し、このような「歴史変化再現仮説」が英語以外の言語にもみられるかを、探求してゆきたい、と思います。そうすることで、現代と歴史とを有機的につなぎたいと思います。
Research MapのURL: https://researchmap.jp/kawagucchan6230
担当講義
Freshman English: 必修基礎英語
ビジネス英語: 英検対策
Basic English: 英語を学ぶ以前に知っておいてほしい知識 (英語学概論, 英語史概説 = 「温故知新/現代が過去とどのようにつながっているのかを知る」)
Basic Englishの内容例: 例えば、中世においてかの巨匠Chaucerは自身の作品中で、英語の方言の多様性を嘆いています。かつての英語では、現代以上に、方言が氾濫していました。さて、現代日本に目を移します。一般に、メディアの普及や標準語化の影響で、方言が(特に若者の間や都市部で)薄れていっているといわれています。確かに方言のせいで、教育や商業、情報が断絶することは好ましくありません。例えば、方言が通じないために、標準語がないために、せっかくライブに来てくれたアーティストに対し、お客さんが「あの人なにゆぅたはるんや?」(‘あの人は何を言っておられるのか’)となっては、困ったことになります。しかし、本当に方言がなくなってよいのでしょうか? こういった問題も、英語の歴史をみつつ、一緒に考えてゆきたいと思います。
教育研究・技術業績 (過去)(保有資格等)
学術論文
・川口尚毅 (2020). 「分詞構文の意味決定要件の分析」(修士論文), 関西外国語大学.
・川口尚毅 (2021). 「半動名詞構文と準述詞構文における主動詞の背景化」『英語語法文法研究』 28, 23-40.
・Kawaguchi, N. & Kadota, H. (2022). The semantics of Into: Interior/Non-interior reachability and iconicity. Journal of Cognitive Linguistics, 7, 52-67.
(=「前置詞Intoの意味論: 内部到達/非内部到達性と類像性」)
Kawaguchi, N. (2023). Present participial constructions: Their deviance from simultaneity. Eigo Gohou Bunpou Kenkyu [Journal of English grammar and usage], 30, 99-115.
(=「現在分詞構文:同時的解釈からの逸脱」)
・Kawaguchi, N. (2024). English participial constructions: Multiple origins and syntactic extensions [Doctoral dissertation, Kansai Gaidai University].
(=『英語の分詞構文: 多重起源と統語拡張』)
Kawaguchi, N. (2024). Unearthing the multiple roots of participial constructions. Kindai Eigo Kenkyu [Studies in Modern English], 40, 1-33.
(=「分詞構文の多重起源を掘り起こす」)
・Kawaguchi, N. (2024). Participial constructions: Growth and extensions. English Linguistics, 40,35–75.
(=『分詞構文:成長と拡張』)
講演・口頭発表等
川口尚毅・門田萌 (2022, 2月16日). 「前置詞intoの意味論」[口頭発表] 第8回IRI言語・文化研究フォーラム, 枚方, 大阪.
川口尚毅 (2023, 2月15日). 「現在分詞形の動詞が持つ時間的同時性の反例: 英語の現在分詞構文を例に」[口頭発表]. 第9回IRI言語・文化研究フォーラム, 枚方, 大阪.
川口尚毅 (2023, 9月1日). 「分詞構文の派生: コンマ挿入とその心的態度」[口頭発表]. 第17回モダリティワークショップ(公開) ―モダリティに関する意味論的・語用論的研究―,静岡.
所属学会・団体
日本英語学会
日本英文学会
英語語法文法学会
近代英語協会
日本認知言語学学会
日本言語学会
受賞
2023年度学長賞 (関西外国語大学)
連絡先
n-kawaguchi[at]daiichi-koudai.ac.jp (‘[at]’は、’@’に変えてください。)