第一工科大学公開講座レポート(社会連携センター/建築デザイン学科)

2016-03-25

第一工科大学公開講座レポート(社会連携センター/建築デザイン学科)

2016-03-25

第一工科大学公開講座レポート

社会連携センター/建築デザイン学科
中島 直希
申 吉峰
久手堅 司
川満 義貴
 我々4名は、今年の4月から古田研究室で勉学に励む?ゼミ生です。宜しくお願いします。初めてのホームページ投稿ですので、文章で変な個所がありましたらお許しください。

 

 3月19日(土)、第一工科大学主催、霧島市共催の公開講座【「安心・安全」住宅を住まい手が主体的に手に入れるには】を開催いたしました。建築デザイン学科4年生(卒業生)の上脇野乃さんが司会進行を務め、95名もの方にご参加いただき、盛大に開催されました(写真1,2)。


写真1 公開講座スタート

写真2 参加の皆さん
 本講座は、「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(略称COCプラス事業)」の一環として開催されたものです。COCプラス事業とは、地方公共団体や企業等と協働し、学生にとって魅力ある就職先の創出をするとともに、その地域が求める人材を養成するために必要な教育カリキュラムの改革を断行する大学の取り組みを支援することを目的としています。本公開講座では、巨大地震が想定される昨今、第一工科大学で開発した制震デバイスの紹介を主とし、住まい手が主体的に「安全・安心」住宅を手に入れる術を分かりやすく説明いたしました。少子高齢化社会、人口減少社会を真に豊かな成熟社会にするため、巨大地震・暴風に備え、良質な社会的資本のストック、そしてストックの利活用に大きく貢献する事を主眼とし実施いたしました。

 まず、主催者を代表し、本学の工学部長山尾先生が挨拶され、続いて霧島市を代表し、前田市長様から熱い挨拶を頂きました(写真3)。その後、本学社会連携センター長の古田先生が第一工科大学の概要説明の後、本講座の内容説明へと展開し、プログラムがスタートしました。


写真3 霧島市長の熱い挨拶
 霧島市建築指導課からは、なぜ今木造住宅の地震対策が必要なのか、筋交いの必要性とバランスの重要さ、木造住宅の耐震化に必要となる補助制度、誰でもできる我が家の耐震診断など非常に分かりやすい話しをして頂きました。
今回の制震デバイスの古田先生の共同研究パートナー横浜国立大学中尾先生からは、木造住宅における耐震性確保のポイントをご説明いただき、地震力を負担する筋交いや合板の大切さと、決められた方法で確実に取り付けることが大切な事や、地震力に対しては余裕を持った設計をし、リフォーム時には耐震補強を忘れることなく行ってほしい旨、ご指導いただきました。
 そして、今回の公開講座のメインとして古田先生からは、今後日本列島で起こりうるであろう巨大地震に対して、今の木造建築では「安全・安心」は確保できないという説明から、開発した制震デバイスの説明がありました。この制震デバイスは、筋交いの接合金物に、高減衰ゴムと鋼板のハイブリッド機構により地震エネルギーを吸収する機能を備え、巨大地震発生時には木造住宅の揺れ幅を半分以下に低減するというもので、機構は単純ですが、この形状にするまでの苦労が伺えました(写真4)。私たちが家を建てる際には、是非使ってみたいと感じた一品です。さらに、高壁倍率を目指した筒形のダンパーの説明もありましたが、私たちには難しすぎて・・・。今度じっくり先生に話しを聞いてみます。

写真4 今回開発された制震金物
 本公開講座に古田研ゼミ生として参加させていただき、巨大地震は日本列島にいる限り、誰の身にも起こり得ること、現在の木造住宅が巨大地震を受けた場合、「安全・安心」とはいい難いことが分かり、地震がかなり身近に感じると同時に巨大地震の恐怖を感じました。そして、古田先生らが研究開発した制震デバイス(制震金物)は、今から建てる木造住宅に取り付けることはもちろん、すでに建てられている木造住宅も補強することができ、その効果は実証済みで、なおかつ従来の制震デバイスよりも非常に安く、簡単に取り付けることができるため、今後の防災・減災に非常に役立つ社会貢献製品であることが理解できました。
 最後に、3月23日付け鹿児島建設新聞に掲載されました記事とアンケート結果を記載し終わりにしたいと思います。これから1年、古田研究室で頑張って参りますので、宜しくお願いします!
 
>>『MCT AREA NEWS』 の動画はこちら(平成28年6月30日まで視聴いただけます)
 

写真5 古田先生説明
 
 ■今回の公開講座アンケートの集計結果(参加者95名中53名回収)
・ 参加者年齢層:10代1人,20代1人,30代6人,40代11人,50代11人,60代17人,70代6人と60代が最も多かった。その次に40代、50代となっている。
・ 参加者性別:男性48人,女性5人と男性参加者が非常に多かった。
・ 参加者居住地域:霧島市39人,霧島市以外大隅地方2人,鹿児島市4人,鹿児島市以外薩摩地方6人,その他の鹿児島県2人,県外0人と霧島市以外からも参加されていた(感謝です)。
・ 参加者職業:会社員(建築関係)27人,会社員(建築以外)6人,公務員6人,自営業6人,主婦1人,学生・パート・アルバイト0人,無職5人,その他2人と建築関係者の参加者が多かった。
・ 参加情報源:新聞9人,ポスター・チラシ15人,知人の紹介14人,インターネット3人,ラジオ0人,その他12人とポスター・チラシの効果が大きかった。
・ 耐震対策をしたいと思うか:思う47人,思わない0人,わからない3人,回答なし3人と耐震対策の意識の高いことが確認できた(感謝)。
・ 制震金物の設置について:設置したい43人,思わない0人,わからない7人,回答なし3人と制震金物に興味を持たれた参加者が非常に多かった(感謝)。
・ 知人に紹介したいか:思う42人,思わない0人,わからない8人,回答なし3人と同じく制震金物に興味を持たれた参加者が非常に多かった(感謝)。
・ 今後取り上げてほしいテーマでは、「制震金物を実際に取り入れた現場を見学したいです。」や「4月以降の設置状況もHPでお知らせください。」といった意見が寄せられ、今後対応して参ります(感謝)。