R6県民大学連携講座
「生成AIや量子コンピュータの活用入門」実施報告

2025-01-06

かごしま県民大学中央センター主催の令和6年度「かごしま県民大学とことんまなぶー講座」として、航空工学科の古川靖教授による「生成AIや量子コンピュータの活用入門」がカクイックス交流センター(旧かごしま県民交流センター)で開催されました。受講者からは活発な質問が上がり、興味関心の高さがうかがえました。

10月の「ChatGPT による英会話,プログラミング入門」では、AIを相手に英会話を練習する方法や、PythonのプログラミングやデバッグをAIに教えてもらいながら実施する方法を紹介しました。これらはさまざまな言語に応用でき、無料で提供されているサービスでもかなりのことができます。語学の学習に生成AIを活用しないのは非常にもったいないことです。プロのシステムエンジニアも、「AI駆動開発」が常識となるでしょう。

11月の「Windows Copilot によるPC仕事術」では、Microsoftの生成AI「Copilot」を使ってPC仕事を劇的に効率化する方法を紹介しました。まさに自分専用の「副操縦士(copilot)」を雇うようなものです。また、NPU(ニューラルプロセッシングユニット)による高いAI処理能力を備えたCopilot+ PCが発売されましたが、それによってどのようなことができるのかも実演しました。AI機能をローカルで実行すること(エッジAI)のメリットが、今後ますます重要になっていくでしょう。

12月の「量子アルゴリズム入門」では、量子コンピュータを活用するための量子アルゴリズムを半自動的に作成できるオープンソースの支援ソフト(SDK)を紹介し、量子計算を実行するための方法を紹介しました。この講座を準備しているときに、米グーグルが量子チップ「ウィロー」を学術誌ネイチャーに発表しました。宇宙の年齢よりはるかに長い10の25乗年かかる計算が5分で可能なったといいます。しかし、重要なのはこの量子チップのエラー訂正技術が、量子コンピュータの実用化にとって非常に重要であるということです。このような量子技術の現状と将来への展望を解説しました。

AIや量子技術は、世界各国が主導権を握ろうとしのぎを削っている分野です。それは、国力を左右する経済的インパクトを持つ可能性があるからです。しかしそれだけではありません。これらの技術は、持続可能な発展に必要な社会課題の多くを解決できる可能性も持っているのです。

(社会・地域連携センター)