セルビアに教授を派遣

2022-06-29

本学は、独立行政法人国際協力機構(JICA)が進める事業に協力し、セルビア共和国で調査指導、技術支援並びにベオグラード大学での講義等を実施いたしました。

今回協力したのはJICA草の根技術協力事業「セルビア共和国パンチェボ市における産学官民の協働による環境改善推進事業」で工学部環境エネルギー工学科の高嶋洋教授が6月4日から12日まで派遣されました。

パンチェボ市南部工業地域周辺では、コソボ紛争により、1999年に、石油化学工場の原料タンクがNATOの空爆をうけ、深刻な地下水汚染が発生しています。本事業は、自主的・自律的な地下水保全対策を行えるよう、関係者への支援を実施するものです。

高嶋教授は、現地調査を行うとともに、簡易分析方法を実演し、その基礎と適用対象について、参加者の理解を深めました。日本から持ち込んだ手法は、安価で即時性が高いため、大きな関心が寄せられました。

パンチェボ市では、関係する技術陣に加えて、市長との面談も行ない、市民協力者等とも協議を行いました。

観測井戸での技術指導

余談ですが、今回のプロジェクトは、別名、コウノトリプロジェクトと名づけられています。調査地近傍の小学校の塔の上にはコウノトリの営巣が確認されました。

営巣するコウノトリ

ベオグラード大学における講演後の集合写真

高嶋教授は、ベオグラード大学のベシュコスキー教授の依頼をうけ、「水循環と地下水保全」というタイトルで、学生や教授陣など30数名に講演も行いました。最後に、JICAバルカン事務所でプロジェクトの進捗状況と、地下水汚染への対応状況等を報告、現地在住の日本人と交流をしたのち、帰国いたしました。

(国際部)