選奨土木遺産認定書・銘板の贈呈式が実施されました

2020-12-21

令和二年度土木学会選奨土木遺産に認定された宮内原用水の二穴式隧道群(霧島市隼人町)の認定書と銘板の贈呈式が12月10日に第一工業大学で実施されました。

選奨土木遺産とは、土木遺産の顕彰を通じて歴史的土木構造物の保存に資することを目的として、土木学会が平成12年に創設した土木遺産の認定制度で、令和二年度は全国で26件の土木遺産が選奨土木遺産として認定されました。

 江戸時代に開削された宮内原用水には、二穴式隧道群と呼ばれる非常に珍しい構造を有するトンネル9基が造られ、300年経った今も霧島の田園地帯に水を供給し続けています。また、受益者だけでなく、周辺の住民も参加した維持管理活動の実践や、地域教育の教材としてもとりあげられるなど、地域に深く根付いた土木遺産でもあります。

 贈呈式には管理者である宮内原土地改良区理事長の町田廣志理事長をはじめ、来賓として中重真一霧島市長(国分土地改良区理事長)、霧島市文化財保護審議会委員の有川秀和先生、さらに同組合の濱田様、霧島市農林水産部耕地課の吉田様、霧島市教育委員会教育部社会教育課文化財グループの小水流様もご出席いただきました。

 土木遺産委員会委員の本田准教授から認定に至った経緯が説明された後、中重市長がお祝いと喜びの言葉を述べられるとともに、霧島市の用水路群が江戸期から地域の発展を支えてきた重要な施設であることを説明されました。

 宮内原用水の水を飲み、そこに棲むカニやさかな、そして用水の水で育てたお米を食べてきたという有川先生の「私の体は宮内原用水でできている」という言葉は、土木遺産と人との長く深い関わりを端的に言い表しているように感じました。

 最後に理事長から「日頃からみんなで維持管理している宮内原用水が思いがけずこのような形で評価されて大変うれしい。今まで以上に大切にしていきたい」との感想が述べられました。

当日は鹿児島建設新聞、南日本新聞、読売新聞、南九州ケーブルテレビネットが贈呈式の様子を取材に来てくださりました。贈呈式の模様は12月26、27日南九州ケーブルネット「そいじゃが!どニッチ」内にて放送予定です。放送時間は午前6時、午後1時、7時です。皆さま、ぜひご覧ください。

(※鹿児島建設新聞より掲載許可をいただいております。)

【公益社団法人土木学会 選奨土木遺産ホームページ】
http://www.jsce.or.jp/contents/isan/

※南日本新聞にも掲載されました(掲載記事はこちらから(南日本新聞HP)

(自然環境工学科 本田)